【テーマ】 「音声指導における映画、e-Learning教材利用に関して」
LET関東支部 音声・映像研究研修部会 2010年度 第1回研究部会
2010年6月27日(土)横浜サイエンスフロンティア高等学校

洋画のセリフを朗読するための音声指導アラカルト

鈴木 政浩(西武文理大学)

【 概 要 】
 今回は、2本の洋画(Patch AdamsとDragonball Evolution)を取り上げ、洋画のtranscriptを音読するまでの指導法とその手順について報告しました。Fluency指導にもとづく海外の研究成果を取り入れ、単語レベルの指導から文章全体を音読するまでのプロセスをまとめました。音読指導は、ストレスの指導やポーズの取り方を指導することにより、内容理解や統語能力を指導することになるという見方があります。また、単語の発音を自動化し、内容理解に集中させることが読解力を向上させる鍵になるという立場で、音読速度を上げる指導方法についても触れました。
 音読指導ではゴールを明確に示すことで学習者の集中力が持続します。今回の報告では、ICレコーダーによる音読音声の録音と、その音声を洋画に組み込んで鑑賞し合うという取り組みを通じて、学習者の意欲がどのように高まったかをご報告しました。
 Patch Adamsは、英検3級レベルの学生を対象にしたものです。冒頭のモノローグのシーンの朗読と、3回ほど引用されるネルーダの英詩を群読して録音した音声を、映画に組み込んだものを見ていただきました。また、Dragonball Evolutionは、これまで無理だと考えてきた英検4級レベルの学生を対象にしたものです。4級レベルの学生には、単文の音読を細かく収録し、それをつなげて静止画にはめ込むことがポイントになりました。
 その他、この取り組みに必要な機器やソフトウエアについてもご紹介しました。

データ

|当日配布したハンドアウト(PDF版)パワーポイント|