国際教育研究所第15回座談会


報告

国際化に対応した英語教育
− コミュニカティブ・アプローチの問題点と課題―
鈴木 政浩(西武文理大学)

 【 概 要 】

英語教育学大系第11巻「英語授業デザイン―学習空間づくりの教授法と実践」をベースに、コミュニカティブ・アプローチの生成過程、その前後の世界の動きについて概観しました。日本でコミュニケーションが重視された際、コミュニカティブ・アプローチにおける言語観が切り離されたことは問題であるとした上で、教室内のコミュニケーション活動にリアリティーを持たせること、そのための指導法としてHumanistic Approachが重要であることを提起させていただきました。

報告前に、コミュニケーションの目的等に関わるアンケートを書いていただきました。その後、コミュニカティブ・アプローチの歴史的経緯と国内外の動き、日本にコミュニケーション重視の動きが始まってからの問題点を、言語観を省いて導入したことであるとしました。結果的に「会話表現(買い物会話等)」が中心となってしまい、これが英語学力の低下をもたらしたという主張につながったのではないかと分析をしました。

教室内におけるコミュニケーション活動には、英語授業学研究の視点が大切であること、授業者が教室環境や学習者の実状を分析した上で適用する主体性が必要であると述べました。教室環境ではリアリティーが必要で、それは、教室内の友だち同士の人間関係を構築し発展させることにより実現すること、そのような指導法としてHumanistic Approachの実践事例と学生の感想を紹介させていただきました。

Humanistic Approachに取り組んだ結果、どのような成果が得られたかを、学生の感想やアンケート調査から検証しました。

資料データ
PDFデータ報告前アンケート用紙