大学英語教育学会(JACET)2009年度第48回全国大会(北海学園大学 豊平キャンパス)
2009年9月4日(金)〜6日(日)
シラバスデザイン(ポスターセッション)
リメディアル英語教育におけるシラバス作成に関する一試案 Developing Syllabus Design for Developmental Education |
【 概 要 】
多くの大学では、履修要綱とともにシラバスを学生に配布する。シラバスにはいくつかの形式がある。その多くは、授業者が学生に提示する指導内容や教材が時系列的に列挙されており、授業者が授業内容のみを一方的に与えることが中心になっているのが実状ではないだろうか。大学生の学力低下が顕著になり、本の読み方やレポートの書き方から指導する必要に迫られている大学もある。しかし、シラバスを授業開始前に提出する場合、学生の熟達度をシラバスに反映させることはできない。丁寧な指導は必要であるにしても、「面倒見のよさ」だけを強調していては、学生の依存心を助長してしまう。学習活動においてはいつまでも教室内で授業者の指導に依存すべきでなく、最終的には学習者が自律するべきである。実社会へと赴く学生を抱える高等教育機関ではこの点を強く意識すべきであろう。しかし、学びから疎外された学生に、すぐ自律を求めるのは難しい。適切なシラバスに基づいた授業を通じて学習意欲を高め、最終的には自律を促すことが必要である。
英語の勉強から取り残された学生のほとんどは、文字を音声にする能力が十分形成されておらず、丁寧な音読指導抜きに学力回復は難しい。また、自律した語学能力の形成には、いくつかの学習技能を身に付けさせながら定着を促進する道筋が求められる。本研究ではこのような視点に立ち、リメディアル英語教育向けシラバス作成のための一試案を提案し、音読指導を取り上げた一例を紹介する。
(応募要旨の問題と目的より)
(続きは、大会要項原稿データにあります。)