関東甲信越英語教育学会
発表
英語授業の「楽しさ」を構成する要因に関する研究 英語授業学研究からのアプローチ(発表当日用) |
予行提出後、中学高校の生徒さんたちにもアンケート調査にご協力いただき、大幅にサンプル数が増えました。大会要項に掲載していただいた予稿資料のデータ部分を変更いたしました。当日は予想を超える皆さんのご参加をいただき、ハンドアウトおよび資料をお届けできない皆さんがいらしたことをお詫び申し上げます。
【 概 要 (大会予稿データより転載)】
1.はじめに
英語授業学という用語が80年代から使われるようになった。本研究における英語授業学とは、「すぐれた英語授業の要因を、授業者と学習者の視点から体系化することを目的とした学問」と定義する。すぐれた英語授業の大きな要因として「楽しさ」がある。本研究は学習者にとって英語授業における「楽しさ」(以下「楽しさ」が、どのような要素を持つのかを英語授業学的見地から明らかにすることである。
2.先行研究
英語教育の分野で楽しい授業とは何かに言及した研究には、すぐれた授業の要素の1つとして楽しさに言及した、大学英語教育学会授業学研究委員会編著(2007)がある。しかし、その内容について具体的に示していない。これに先行して、「楽しさ」に直接言及した研究に森住(1980)がある。鈴木(2011)はこれをもとに、英語授業における8つの楽しさの種類を提起した。しかしこれらは授業者からの視点であり、学習者の視点との関係を検証する必要が生じた。
3.研究の方法
(1) 実施期間:2010年4月 (2) 対象者:関東近県の中高大学生1060名
(3) 鈴木(2011)をもとに、8つの楽しさの種類について、それぞれ5つずつの質問項目を作成した。質問項目には、6件法により回答してもらった(楽しいと思う 6・・・・・1 楽しいと思わない)。アンケートを回収・集計し、探索的因子分析により学習者の考える「楽しさ」の要因を検証した。
4.結果
各質問項目のデータについて、天井効果と床効果の認められる項目を分析データから除外した。残った質問項目のデータについて最初の因子分析(主因子法・回転なし)を行った。固有値の変化から、5因子構造が妥当であると判断し再度因子分析を行った(主因子法・プロマックス回転)。なお、回転前の5因子の17項目で全分散を説明する割合は76.6%であった。
3.引用文献
大学英語教育学会授業学研究委員会編著『高等教育における英語授業の研究−授業実践事例を中心に』松柏社
森住衛(1980)「楽しい授業とは何か」『英語教育』4月号, 56-57 大修館書店
鈴木政浩(2011)「大学における『楽しい』授業の創り方」『新英語教育』No.501, 10-12
資料データ
|パワーポイント|PDFデータ|予稿データ(改定後)|
|質問紙データ|因子分析回転後のパターン行列等のデータ|