授業研究
リメディアル教育における音声指導を中心にした英語授業実践 −英検3級リスニング問題からCNNシャドーイングにいたるまで− |
司 会 | ・・・飛田 ルミ先生(足利工業大学) |
指定討論者 | ・・・湯舟 英一先生(東洋大学) |
授業発表者 | ・・・鈴木 政浩(西武文理大学) |
【 概 要 】
今回は2008年度4月から7月までの音読を中心とした授業実践を報告します。最初の教材は英検3級リスニングテストのtranscript。イントラネットに立てた個人サーバーにアップロードした音声教材のページと、音読能力測定ソフトを駆使しました。音読中心の授業づくりを通じて、学生がどのように英語基礎学力を獲得したかをご紹介します。後半は、選択科目における学生たちによるシャドーイングのパフォーマンスと、その指導手順をご披露します。選択科目では、いわゆるリピータが多く、半期・通年で音読指導を十分受けた、いわばthresholdを通過した学生が受講してきます。こうした学生たちがCNNや洋画のtranscriptに果敢に挑戦する姿は実に頼もしいものです。(大会要項に掲載した概要)
【要項原稿より】
「効果的な音声指導」を考える際、まず論ずるべきは音声指導の目的であろう。
音声指導と言うと、イギリス英語に基準を求めるのか、はたまたアメリカ英語に求めるのかという、発音の質についての議論がある。しかし、我々の身の回りのいわゆるstruggling learnersは、それ以前の段階にいる。oneを[オネ]と発音するような大学生の存在が指摘される一方、ローマ字読みができればまだ良い方であるという大学もある。文字を音声化できない状態では、いくら授業に参加しても内容理解に至ることはできないことは自明であろう。どのような発音を指導するかを論議する以前に、何のために発音指導をするのかを問うべきなのである。
本授業研究では、授業の対象者をstruggling learnersとし、音声指導の目的を「decoding skillsやprosodyの習得を通じて、comprehensionを成立させる基礎学力形成」と考える。
いくつかの先行研究では、教師のモデル音声がテキストの内容理解には適しているとされる。しかし、文字を音声化できない学習者は少ないとは言えない上に、教科書の進度を考えると丁寧な音声指導はかなりの負担となるのが実状である。そこでコンピュータを使った繰り返し音読により、リスニングにおけるcomprehension能力形成を学習者メインで取り組むプロセスを紹介する。
(続きは、大会要項原稿データにあります。)
資料データ